ちょっとTea Time!? 閉店セールのコンデンサの容量を測定してみよう. 2021.3.11

デジットの閉店セールで4700uF/63Vのコンデンサが目についたのでパワーアンプ用にと20個ほど購入(1個30円でした).
これは通販にもあります.でも通販だと200個単位なのでそんなには必要ないので、店頭で必要数だけ購入です..
で、会計を済ませて、ちらりと店の奥を見ると、またコンデンサが目につきました.こちらは「キズ有」ということで、店頭のみのようです.
でも、そのコンデンサを見ると、サイズ的にもよさげな感じです.そもそもパワーアンプといってもそれほど高い電圧は必要ないので、
35Vもあれば十分です(パワーアンプとして20Wもあれば十分です).それにニチケミのKMHなのでいい感じです.こちらも30円なので
20個ほど購入です.もっと買って置けばよかったかな?.


デジットの閉店セールで購入したコンデンサ.右側(4700uF63V)は通販もあるけど、
左側(4700uF35V)はキズ有りということで店頭販売のみの様子.

なんでキズがあるの?

KMHのコンデンサは表面をみると確かに擦り傷があります.しかし、なんでキズなんてついているのだろう?
販売されているときは、ちゃんと箱に入って発泡スチロールに整然と挿してありました.
ひょっとして、どこからにぶちまけてしまってキズがついたのかと思いましたが、それならば物によってはキズのつき方がまちまちのはずです.
でも、購入したすべてに同じような擦り傷が全面についています.それも、底面側にもついています.

ひょっとして、フィルムそのものに擦り傷がついていて、それを見逃して製造してしまったバグ品ではなかろうか?と邪推です.
でも、普通はそんなものはメーカでの検品に引っかかって出荷できないはずですけどね〜.
ひょっとして、外装不良品の横流しだったり///と色々と考えてしまいました.

まあ、機能さえ問題なけれな趣味で使う分には問題ありません.

フィルム表面には擦り傷がほぼ全面についています.これって製造中についたキズなんじゃないでしょうか?


容量を測定してみましょう!

外装不良はいいとして、ちゃんと容量があるかどうかを確認しておきましょう.
手持ちのテスターは容量を測定する機能もあるのですが、この容量(4700uF)では測定エラーがでてしまいます.
ということで、電源についないで簡易的に測定してみました.

測定方法
 測定は簡単です.コンデンサに一定電圧をチャージしたのちに、抵抗で放電させます.
そして、電圧をテスターで監視して電圧が1/2になる時間を測定です.


測定の回路です.

上記の回路図で、スイッチをOFFにするとコンデンサの両端の電圧は次式のように減衰します.

V:測定電圧(V) V0:初期電圧(V) t:時間(s) C:容量(F) R:抵抗(Ω)

上式をCでまとめると、次式になります.


ここで、初期電圧は18VとしてスイッチOFF後の9Vの1/2になるまでの時間をスマホのストップウオッチ機能を使って測定です.
抵抗値は10kΩの炭素被膜をつかいましたが、抵抗値は実測が9.88kΩだったのでこちらの値を使います.
で、上式から容量を求める式ができあがります.

(単位はuF)

久しぶりに高校の物理を思い出しました.

測定結果は


測定の様子です.


測定結果は次表のようになりました.どちらのコンデンサも誤差Mクラスで±20%ですが、
問題ない容量のようです.ただ、傾向的には63V品のほうが少しマイナス誤差に振れています.
対して35V品の方が、プラス誤差に振れています.電源に使うので、どちらかと言えばプラス誤差の方が
嬉しいです..でも、どちらも公称誤差以内ですから問題ないでしょう.

4700uF/63V 4700uF/35V
No 時間(s) 容量(uF) 誤差(%) 時間(s) 容量(uF) 誤差(%)
1 31.3 4576 -3 35.2 5139 9
2 30.0 4384 -7 34.4 5017 7
3 30.3 4424 -6 33.9 4949 5
4 30.8 4497 -4 31.6 4618 -2
5 32.7 4774 2 33.8 4936 5

大きいほうがいいかな?
 シンプル電源基板に載せるとすると、63V品のほうがサイズ的によさそうです.
 35V品は少し小さいので、ちょっと余分なスペースが目立ちそうです.

63V品のほうがシンプル電源基板にはサイズがあうかもです.

ESRはどうだろう?
 容量は簡単に計れますが、コンデンサの瞬発力に関係するESRも気になります.
 測定方法はすこし考えないといけないですが、また時間のある時に検討してみましょう.

(おしまい)