ちょっとTea Time!? 廉価なDクラスアンプを調べてみる。  2022.1.17

色々と整理していたら、こんなものがでてきました。
どうやらDクラスアンプのようです。どんなスペックだったんだろう?


こんなDクラスアンプがでてきました。いつ買ったんだろう?


裏面に型番がありました。

おそらくAMAZONで買っているはずなので、検索で型番の「XY-502B」と入れてみるとでてきました。
をを、なんと50W+50Wなんですね。それにBLUETOOTH付です。多分買ったときはライン入力を
使おうと思っていたはずだけど、いまならノートPCにもBLUETOOTHがついているので、
そちらで接続した方が簡単です。
 でも、5140円とは結構高いなあ〜。こんな金額では買うとは思えないけどな〜。


50W+50WでBLUETOOTH付のDクラスアンプでした。でも、なんだかお高い。

とりあえず、Amazonでの購入記録を調べたら約3.5年前に1050円で買ったようです。
やっぱり、そのくらいの値段でないと試しに買おうって気にならないかもね。

使っているICはなんだろう?

アンプ素子
アンプ素子は放熱板がくっついているのではがすのは躊躇します。
そこでネットで調べるとTI社のTPA3116が使われているようです。
TPA3116のデータシート
21V電源のときに4Ω負荷BTLで50Wが得られるようです。
入力はアナログのようなので、BLUETOOTHを受信してアナログ信号を
出すICがもう一つ必要です。

BLUETOOTH関連素子
これがそのBLUETOOTH通信を担う素子でしょう。
型番は「AC1753」です。ただ、残念ながら色々とネットを調べましたが、
このICのデータシートは見つかりませんでした。


BLUETOOTHのコントロールICのようです。しかし、基板が埃だらけだなあ〜。

鳴らしてみましょう!

折角なので通電して鳴らしてみましょう。LINE入力をつかうとなるとすこし面倒ですが、
BLUETOOTH接続なら配線不要なので簡単です。
 スピーカにはワニ口クリップで接続できるように短く切った銅線を差し込んでおきます。
ACアダプタは古いPICライターに付属していた15V0.8Aの秋月ACアダプタを使います。

アンプ出力端子にダイソーで買った銅線を短く切って差し込んでおきます。



ACアダプターは秋月の15V0.8Aのものをつかいました。


メインシステムに接続です。アンプラックにはスピーカの入出力端子が設けてあるので
アンプあるいはスピーカを接続することができます。


音は・・・・

音は普通に鳴りますね。低音の出方も問題ありません。
でも、なんとなく音が軽いというか薄い感じ。これって単なるプラシーボだろうか?
それとも、実際にそういう音なんだろうか?
 メインのアンプと比較するにしても瞬時切替ができないので、はっきりとはいえないのですが、
繋ぎかえて何度か聞き比べてみますがやはり音が軽い気がします。
小音量で聞いているからそう感じるだけかな?いや、もっと大音量で鳴らせば違いがでてくるかもしれません。
でも、もう夜だし音量あげたら怒られそう・・・・。

 音の違いはアンプに起因するものか、それともBLUETOOTHによるものか、あるいは両者の
組み合わせによるものか・・・・ちょっと気になったりします。

出力波形をみてみましょう!

動かしたついでなので、負荷抵抗を接続して出力波形をみてみましょう!

負荷には適当なセメント抵抗(5.6Ω)を取り付けました。デジットで10円で購入したものです。

まず、出力波形をみてみましたが結構綺麗です。
それに周波数特性も問題ありません。20Hz-20kHzでフラットです。

となると、音の原因はBLUETOOTHかなあ〜?
それとも単なる、気のせいだろうか?

周波数 波形観察 コメント
1kHz まずは1kHzでレベル合せです。
6Vppに設定です。


波形は綺麗ですね。変調周波数は
フィルターで消えています。
20Hz 若干レベルが低くなっている気もしますが、
低域での減衰はほとんどないようです。
15kHz この周波数でもフラットです。おじさんの
耳だとこの周波数まで再生できればOKです
20kHz 20kHzでもOKですね。
いわゆる20Hz-20kHzでフラットですから
オーディオアンプとして問題ないでしょう。
21kHz 21kHz以降では波形が乱れてきます。
これはPC側の送り出しが44.1kHzであるため
でしょう。

ちなみに、どの程度の変調周波数なのかを調べるためにオシロプローブをICの出力直後に当ててみました。
変調は250kHz程度のようです。思ったより高くないなあ〜。

変調周波数です。電源電圧の0-15Vでフルスイングしています。

そこそこ使えるか・・・いや、難点は・・・

BLUETOOTHなので、音がすこし劣化している思い込みがあるかもしれませんが、
コンパクトに使うのは、このアンプ基板もありかもしれません。実際に普通に鳴るし・・・。

音楽ソースはネット配信が多いでのスマホやPCで聞く人も多いでしょう。
まったくオーディオ装置に関心がなければ、このアンプをつかってちょっといいスピーカを
駆動してやれば、装置スペースもとらずにいい音質の環境をつくれるかもしれません。

そう考えると、BLUETOOTHでのワイヤレスハイエンドスピーカがあってもいいような
気がしますが、ないですね〜。
やはり音質に興味のある人は装置にも興味があるということかな?

さて、このDクラスアンプですが使えるとはおもうのですが、
大きな難点があります。

女性の声がうるさい!

接続が完了したりエラーが発生すると英語で女性の声でアナウンスがあります。
これが結構長いのと、一番の問題は音量がでかい!たぶん最大出力で鳴らしているのではなかろうか?
もう、五月蠅いだけです。これが無ければいいのだどな〜。

それともう1点。出力オーバなどでアンプのプロテクトがかかるとBLUETHOOTHの接続が切れるようです。
そうなったら、一旦音量を小さく設定してから、再接続が必要です。このあたりは、すこし面倒です。
エラーが解消したら勝手に再接続してくれたらいいのに・・・。そして女性の声の音量は控え目で・・・。

まあ、1050円のオモチャに文句はいえませんが・・・。それにしても、なんでこれが1050円で販売できるのだろう?


強化作戦! 2022.1.18

すこし大きい音が出せるように、そしていつでも使えるように強化作戦開始です。


スピーカ端子にすぐに接続できるようにワイヤーを接続します。


先端は銅単線を半田づけしておきます。



ACアダプタはノートPC用のものを流用です。昔にEPSONのノートで使っていたものです。


出力は19V3.42Aなので十分です。


接続も随分すっきりとしました。

効果は!

主な変更点はACアダプタになりますが、随分と変わりました。比較的大きな音を出していますが、
すごい余裕を感じるようになりました。音の薄さが気になりましたが、それも解消されたようです。
やっぱり電源は重要ですね。

となると、基板側の電解コンデンサも見直したくなりますね。
現在は35V1000uFが入っていますが、これをさらに容量アップしたいところです。
そして高周波数特性改善のために多目にパスコンを入れるといいかもしれません。
さらに、インダクタンスも大電流用に変更するとかもいいかも。

まあ、それはまたの機会にしましょう。
まずは、これで音楽を楽しむのも良さそうです。

考えどころ・・・・
 いまは主にCDの自炊が終わったこともありノートPCを音楽サーバーにして、USB接続で
SPDIF(光)でDACに繋いでいますが、基本は有線です。これをBLUETOOTHにしてしまえば
すごくスッキリとしそうです。
 そう思い立ってBLUETOOTHでオーディオアナログ信号が出せるようなICがないか探してみましたが、
全然ひっかかりません。評価ボードはいくつかあるのですが、そこに搭載されているICの情報は
ありません。ひょっとして何か制約があって市場にはでないようなICなのかな?

まあ、入手ができなければ現在のボードからアナログ信号を取り出す算段をしてもいいかもしれません。
オシロで調べれば、どれがオーディオ信号出力になっているかわかるでしょう。
ICは0.65mmピンピッチなので直接の線出しは難しいですが、すぐ近くにチップ部品もあるので、
そこからの信号出しも簡単でそうです。

意外と面倒かも・・・・・

どれがアナログ出力か調べてみました。
最初はパターンの引き回しをみて、PIN1、5からの配線がパワーアンプに向かっているので
これがアナログ出力かと思っていましたが、オシロをあててもそうではなさそうです。
そのため、その他のピンを調べてところ、PIN6,7がアナログ出力になっていました。
最大出力は3Vpp程度のようです。カップリングコンデンサを通して普通のアナログ出力として
使えそうです。

うむ〜、しかしここから2本の線を出すのは結構大変そうだなあ〜。
まあ、何回かチャレンジすればできるかな?


PIN6,7がアナログ出力になっているようです。


出力レベルは3Vpp程度でした。

ケースを作りましょう!

ここまできたら、アナログのライン出力がだせるようにケースに納めましょう。
ケースといっても、単にアクリル板にとりつけるだけですが・・・。


まずは慎重にICのピンに線を半田付けです。成功したら配線が動かないようにホットボンドで固定です。


出力は抵抗とコンデンサ(10uF)をシリーズにつないでおきます。


こんな感じでケース(?)におさまりました。

再度試聴!

こんどはアナログライン入力で試聴です。勿論のことパワーアンプはABクラスのアンプです。
ライン出力装置としてもまったく問題ないようです。でも出力が1Vrms程度なので、ちょっとレベルが低いかな。
その分、ボリュームは上げ気味になりますが、いい感じでなってくれました。


再度試聴です。こちらも問題なく鳴りますね。


まとめ

1000円ちょっとで購入したBLUETOOTHのDクラスアンプも電源に余裕があれば十分にメインスピーカも鳴りました。
また、ちょっと改造すればライン出力としても使えることがわかりました。

また、こういったオモチャがあれば遊んでみましょう!

あえなく昇天・・・・ 2022.1.22

休日なので、もう一度Dクラスアンプを動かしてみようとしてパネルに出力を接続。
でもスピーカ切替装置の設定を間違えて、メインシステムのパワーアンプの出力とカチ合わせ。
スピーカから”ぼそ”という音がして、その後まったく動かなくなりました。
Bluetoothの接続も切れている状態だし、なによりも基板のLEDも点灯していない。
さらに、鼻を近づけるとパッケージが焦げた独特の匂いが・・・・

こりゃ、昇天されたようです。ああ、短い付き合いだったなあ〜。
しかし、パワーアンプ部分が壊れたのはわかるけど、Bluetooth制御ICも共倒れなんて・・・・。

でも、Bluetoothでの接続の便利さを教えてくれた一枚の基板でした。


基板を取り外して廃棄です。アクリルプレートはまた別に使えそうなのでおいておきましょう。

(おしまい?)