NewDAI for DF1706基板でDF1704を動かしてみる! 2023.1.24

New DAI for DF1706基板のリクエストがあり、今回製作しました.
近日リリース予定です.


New DAI for DF1706基板を再製作しました.

DF1704でも使える?

そんな中、こんな書き込みも頂きました.
最初はDF1706ってDF1704とはピン配置は全然違うと思い込んでいたのですが、
あたらめてデータシートを読み返すと、DF1706とDF1704はほぼピンコンパチです.
動作電源が3.3V(DF1706)と5V(DF1704)の違いだけです.
あとはDF1706が192kHzまで対応しているのに対してDF1704は96kHzまでです.

私もDF1704が手持ちにあるので、この基板が使えれば無駄にならなくて済みます.
いや、変換基板等をつかえればDF1704も活用できますが、なかなかユニバーサルで組むのも面倒なところがあります.

 こんな投稿をいただきました.

DF1704で組んでみましょう!

こうなったら善は急げです(なんのこっちゃ?

New DAI for DF1706基板にDF1704を搭載してみましょう.
ただ、変更点が一つあります.
DF1706が5Vで動くので、勿論ロジックも5Vになります. 入力仕様は3.3Vロジックでも問題ありませんが、
出力が5Vロジックになるので、受け側が3.3Vロジック仕様の場合は壊れてしまう可能があります.
そのため、DF1704の電源電圧は5Vに変更するとしても、5V受けで3.3V出力とする場合のロジックは74ACではなくて
74LVCに変更です.そして、そしてそれらの給電する電圧は勿論3.3Vに変更です. なお、DAC1704の入力ロジックは5Vのままなので、
この部分は74ACシリーズのままとして5Vで動作させます.


まずはDF1704の電源電圧を5Vに変更できるように電源パターンを切断です.


IC6のPCM出力バッファは3.3V出力にする予定なので、DF1704の5Vロジックが受けられるように
74LVCに変更して電源電圧は3.3Vにします. DAC1704と接続するICのIC4.5,9は5V動作にするため、
電源ラインはこの位置で分離です.

なおIC6を使用するPCM出力のロジック電圧を5Vとする場合はこの修正は不要です。
また、信号の受け側のロジックが74LVCを用いる場合も修正不要です(オキラク基板はほとんどが
一旦74LVCで受けているので、修正不要に該当するでしょう)。

一気に完成

この基板を製作したのは今から10年ほど前ですが、パスコンもほとんどが部品面にあるので製作が楽です.
そういえば、最近の基板のパスコンはほとんど裏側(半田面)にしていますね. これも、ある点では変遷だなあ〜.

電源電圧を変更するためのジャンパーについて下で記載しています.


必要な部品を搭載しました.


DF1704を5V動作させるために、3.3Vレギュレータの入力(5V)からジャンパーを飛ばします.


IC6は3.3V動作にするので、近くの3.3Vライン(パスコンの片端)からジャンパーを飛ばします.
なおIC6は74LVCに変更です.


DAC1704のロジックは5VなのでJP2は5Vに設定です.
IC4.5.9は74ACを使い5Vで動作させます.


早速動かしてみましょう!

RenewSRC4137のSPDIF出力を接続して、まずはNew DAI for DF1706(DF1704に変更)の動作確認です.
トラブルも無く、簡単に動きました.


まずは単体で動作確認です.


44.1kHzの8倍オーバサンプリングでのワードクロックです.

DAC1704とつないでみよう!

この基板はDAC1704やDAC1760などのマルチビットDACとの接続に効果を発揮するでしょうから、
まずはDAC1704と接続です. 96kHzまでは問題なく動作しました. 流石に192kHzはワードクロックは正常にでているようなのですが、
DATAが不安定で動かないようです. まあ、仕様ですから仕方ないですね.

DAC1704と接続しての動作確認です.


DAC1704の差動出力も問題ないことを確認です.差動出力です。

とりあえず、この基板もすこしの改造でDF1704も使えることが確認できました.

折角なのでDAC1860と接続してみるかな?


DF1704を用いる場合の修正箇所の一旦まとめ 2023.1.25

1)DF1704の供給電源を5Vに変更
 
基板裏面のパターンを一か所切断して、レギュレータの端子から5Vをジャンパー配線します。


この位置でパターンをカット


5V電源をジャンパー配線

<設定の注意点>

(重要)JP2は必ず5V側に設定してください。

PCM1704やPCM61,AD1860などのロジック電圧は5Vであるという理由もありますが、
DF1704のロジック電圧が5Vであるため、基板上のロジック(IC4,5の74AC245)を3.3Vで使用すると
ラッチアップ等を引き起こして損傷する可能性があります。やむなくIC4,5を3.3Vで動作させたい場合は
IC4,5は74LVC245を使用してください。

またJP2を5V設定とすると、CN1のPCM出力のドライバ(IC6)も必然的に5V出力になりますが、
受け側に74LVCシリーズを使用している場合は問題ありません。IC6をやむなく3.3Vで動作させたい場合は
下記の修正をしてください。


IC6に給電するパターンを切断


最寄りの3.3Vラインからジャンパー配線


DAC1860とつないでみる 2023.1.25

New DAI for DF1706はマルチビットのDACの接続が主な目的でもあり、その第1のターゲットが
PCM1704を使ったRenew DAC1704ですが、AD1860を使ったDAC1860もあるので、こちらもつないでみましょう。
DAC1860は18Bitなので、一か所ジャンパー設定が必要です。JP3のS5を短絡して18Bit出力に設定です。

NewDAI for DF1706(中身はDF1704)の設定を18Bitします。

あとは、DAC1860と接続するだけです。DAC1860はAD1860を32個搭載しているので、
結構な電流を消費します。±5V電源が必要ですが、最近作った電源が役立ちました。
ちなみに、DAC1860を作ったときはどんな電源を使ったのだろう? ちょっと思い出せないな〜。
また、検討記を見返してみましょう。


DAC1860と接続です。

接続はRenew DAI に直接SPDIF信号(44.1kHz)を入れていますので、DF1704のディジタルフィルタの
特性が現れてきます。 正弦波ではわかりませんが、矩形波やパルスを入れると特性が見えてきます。


接続テストOKです。正弦波だとディジタルフィルタの特性がわかりません。


矩形波だとディジタルフィルタの特性がでみえてきます。

やっぱりDAC1860は大喰らいでした。 AD1860は1個あたり標準で10mAの電流が必要なので、
32個ですから最低でも400mAの電源は用意する必要がありそうです。 余裕をみると500mAかな〜。
DACだけで5Wので電源が必要になっちゃいますね。


DAC素子が32個もあるので、±5Vの電源ラインはどちらも400mA近く必要です。

そろそろ、New DAI for DF1706をリリースします、
ただし、残念なことにDF1706はありませんので、あしからずです。
手元にDF1706があるか、あるいはDF1704をお持ちの方向けになっちゃいます。


断念? 2023.1.26

折角なのでこの基板の制御ソフトを改良してI2C-OLEDと赤外線リモコンを取り付けられるようにと画策です。
で、もともとのPICはPIC16F886という古目のPICで、動作速度は自励では最大8MHzと早くないので、厳しい
ところがあります。容量は8kWあるので、まあなんとかなるかもしれません。
 速度向上させるためには20MHzの水晶発振子をとりつければよく、基板にはそのためのパターンもあります。
しかし、そこまでする必要もなく、最近のPICに取り替えれば簡単に高速化がはかれます。PICのピンは基本
コンパチなので、入れ替えも容易です。
 そこで、PIC18F25Q10(8kW,64MHz)に乗せ換えるべく、まずはオリジナルのソフトを移植です。

動かない・・・

PIC18F25Q10に書き込んで、基板上のPICと差し替えです.
あれ?うんともすんとも言いません。ソフトの移植に問題があるのかな?原因を調べるために
ICSPピンにPICKIT4を差し込んで、どの部分でエラーが発生しているかを調べようとしましたが、
PICKIT4がPICを認識できません。
 あ、Vppピン(Pin1,MCLR)がVDDに接続されている状態なのを忘れていました。で、切断して再度
接続にかかりますが、まったく認識されません。

ICSPピン付きのPIC18F25Q10でPICKIT4につなげますが、認識されません。

原因は・・・

色々と調べてみると、PICとDF1704を接続しているPINの電圧が3.8V程度とVDD(3.3V)より高いものがあります。
そのため、PICを外して同じピンの電圧を測定してみると、5Vあります。すなわちDF1704の電源電圧と同じです。
信号の流れはすべてPIC->DF1704なので、3.3Vで動くPICを5VロジックのDF1704と接続しても問題ないと
思っていましたが、どうやらDF1704側にはプルアップ抵抗が入っているようです。
そのため、PICのPinにVDD(3.3V)以上の電圧が作用してしまって、PIC自体がうごかなかった様子です。

そういえば、以前にもPICに電源電圧(0〜3.3V)を超える電圧が作用して、動かなくなる(リセットがかかってしまう)
現象を経験しました。



DF1704のマイコンとの接続端子はプルアップ抵抗が入っています。この影響でPIC側が起動できなかったようです。

PIC16F886とPIC18F25Q10の入力の違いは?

では、なぜ同じ3.3Vで動作させているPIC16F886とPIC18F25Q10で動作が違うのか?
PIC18F25Q10はだいぶ世代が新しいので、I/Oピン部の保護回路が強化されているのかもしれません。
こちらからすれば、今回は余計なお世話という感じですが、本来はあるべき姿なのでしょう。
で、データシートにI/Oピンの等価回路がないか調べてみることに。

それにしてもPICのデータシートってなんでこんなに分量があるの?(PIC18F25Q10は700ページ以上あります)。

詳細の等価回路はみつけられませんでしたが(パット見なので)、ブロック図をみると
単純にクランプダイオードがあるだけで、違いはなさそうです。

ここはPIC18F25Q10の方がI/Oピンが敏感であるということでお茶を濁しましょう(汗。


PIC16F886のI/Oのブロック図


PIC18F25Q10のI/Oのブロック図

急場しのぎ

DF1704のプルアップが問題であるとすれば、反対にプルダウン抵抗を追加してPICにVDD(3.3V)以上の
電圧がかからないようにしてやればうまくPICが起動するはずです。

まずは必要なプルダウン抵抗値の調査です。試しに47kΩの抵抗をつけたところ、I/Oピンの電圧は2.8V
となりVDD(3.3V)以下となりました。 DF1704のプルアップ抵抗はおよそ37kΩといったところです。
追加する抵抗器は47kΩより大きな抵抗でもよさそうですが、これ以上高いチップ抵抗はないので47kΩにしておきましょう。

プルダウンする箇所はPICからDF1704に繋がるすべての箇所とします。
PIC側のPin3〜7ピンが対象です。GND位置はPin8なのでコンパクトに実装できそうです。



青丸印のところを47kΩでプルダウンです。この頃はまだ手書きの回路図ですね.


2012サイズのチップ抵抗を取り付けました。
あ、真ん中のチップ抵抗だけ反対向いている.

動きました

これで、PIC18F25Q10が使えるようになりました。
ちょっと勉強になりました。おそらく3.3Vで動作するDF1706のままだったら素通りしていたところです。

ああ、ちょっと疲れました。ソフト改造するモチベーションがグッと下がってしまいました(笑。

改造は断念かなあ〜。


もう1枚 2023.1.30

さて、基板があるうちに自分用にもう1枚作成しておきました。
今度はDF1706を使います。
というのも、以前に作った基板は嫁いでしまったので、Renew DAC1704用に必要なためです
(ケースに収まる時期は未定ですが・・・・)。

CS8416は、変換基板にとりついていたものをひっぺがして再利用です。
熱損傷している可能性を考慮して、DF1706以外の部品をすべてとりつけて、
CS8416が動作していることを確認した上で、最後にDF1706を取り付けました。
なんせ、最後の1個ですからね。


もう1枚作りました。


今度はDF1706で作成です。

(つづく?)