A12基板でFETの組み合わせをしらべてみる。 2018.4.19

A12基板の回路は高速OPアンプであるLT0032の等価回路を参考にしたもので、
私的にはかなり気に入った回路です。なにが気にいっているかといえばその特性のすばらしさにあるのですが、
付随的に部品の種類が少ない点が気に入っています。というのもトランジスタの数は多いのですが、
抵抗の数が少ない。トランジスタは数が多くても、所詮つかう種類は少ないですが、それに対して
抵抗がたくさんあると、色々な種類の値を探さないといけないので、その準備が大変です。
A12回路はその特性だけでなく部品の準備が楽なのでお気に入りの回路です。

でも
このA12回路ですが、とくに初段に使用するトランジスタ(FET)を結構選びます。
いつもは2SK246(BL)を使っていますが、その他のものを使うと発振する場合がみうけされます。
最近でもこのような書き込みがありました。

A12回路に用いるFETは結構選択に気をつかいます。

そこで

すこし、FETの違いによる発振状況を調べてみることにしました。秋月で売っているNchのJ-FETを適当に買ってきました。
評価のためにはRenew Discre A12基板とそのベースボードを使っています。
トランジスタを入れ替えられるようにソケットに変更です。ついでに位相補償コンデンサも入れ替えられるようにしました。

このようにFET部分を取り替えられるようにしてテストです。


用いる基板はA12基板です。

テスト回路は?

できだけIV回路に近い回路として、反転増幅器として帰還抵抗は低めにしています。

このような回路でテストしてみました。

テスト結果はいかに!


手元にあるトランジスタで色々と調べてみた結果は下記の通りです。
一部のトランジスタで発振が起こっています。とくに発振が大きかったのは2SK369でした。
2SK246の互換品といわれる2SK2880は安定して動作しているようです。これからはこれを
つかうのがいいかもですね。

トランジスタ 出力状態
(反転増幅器:正入力GND,帰還抵抗100Ω、入力抵抗100Ω
位相補償コンデンサ100pF
2SK30AーY
問題なく動作するようです。
2SK246ーBL
問題なく動作するようです。大体はこのトランジスタを使っています。
2SK2880−E
問題なく動作するようです。K246の代替品でもあるようです。
2SK369−V
結構発振しています。
IDSは25mAのVランクです。
2SK303ーV5
※ピン配置は注意必要
問題なく動作するようです。
PF5102
※ピン配置は注意必要
すこし発振しています。

位相補償コンデンサの効果は?

調べた中では2SK369が一番発振の程度が大きかったようですが、位相補償コンデンサの容量の効果を調べてみました。

100pF 220pF 470pF

ん〜この場合はあまり効果がないというのが結果ですね。
A12回路をつかうときは、このトランジスタは避けたほが良さそうです。
つかうなら2SK246BLがいいですがすでにディスコンなので2SK2880がいいかもです。
2SK303もいいですが、こちらはピン配置がちがうので、実装には注意が必要です。

もっと違う対策も・・・

A12回路の発振をとめるにはもっと色々な対策がとれそうですが、このアンプの回路のシンプルさを損ないそうなので、
まずはトランジスタの選定で逃げることにしましょう。

そもそも・・・ 2018.4.21

どのパラメータがアンプ回路の発振と関係しているかですが、おそらくFETの入力容量あるいは帰還容量だと思います。
そこで、手元のFETについて調べてみました。いづれも秋月で調達したものです(ディスコン品も含まれます)。

FET 入力容量(pF) 帰還容量(pF) 発振状態
2SK369 75 15 発振
PF5102 16 6 発振
2SK2145 13 発振(したことがある)
2SK246 9.0 2.5
2SK30A 8.2 2.6
2SK2880 8 1.5
2SK303 5 1.5

ということで、やはり入力容量、帰還容量の大きなものは発振しやすいということのようです。
それにしても、2SK369は飛びぬけて入力容量が大きいな〜。

lこんなご意見も


これについては試してみるのが一番ですね。一番発振が強い2SK369で試してみましょう。
試しに1kΩのチップ抵抗をゲート近くのライン上に入れてみました。

 
 基板の表と裏にそれぞれのFETのゲートに1kΩ(102)のチップ抵抗を挿入してみました。

結果はいかに?

結果としてはゲートに抵抗を入れると、逆に発振が悪化するようです。
いい案かとおもいましたが、2SK369などでは反対に入力インピーダンスを下げることをしないといけないのかな?
いづれにしてもディスクリート回路はまだまだ勉強することが多そうです。

2SK2880の場合
ゲートに1kの抵抗あり
(入力容量8pF)
2SK369の場合
ゲートに1kの抵抗あり
(入力容量75pF)
2SK369の場合
ゲートに1kの抵抗無し
(入力容量75pF)

発振ありません。

盛大に発振しています。
縦軸のスケールも変わっています。

すこし発振しています。

さらに・・・ 2018.4.22
こんな情報もいただきました。


ちょっと気になったのが3.の方法なので一度試してみました。
丁度の抵抗値ではなく330Ω+6800pFの組み合わせです。


こんな感じでR+Cをゲート間に接続しました。

結果は!

2SK369を使った場合でも発振がとまりましたね!

発振が止まりました。

ちなみに2.はだめだったようです。もともと帰還抵抗が小さいこともあるのでしょう。

(たぶん、おわり)