超お気楽ラズパイアンプの巻き! 2019.11.15

秋月の商品ラインアップをみていて、こんなアンプがあることにいまさら気づきました。
まあ、どこにてもありそうなディジタル入力のDクラスのパワーアンプなのですが、
仕様的には、一世代前という気がします。というのも、PCM入力専用なのはいいとして、
最高周波数は48kHzまでで、対応ビット数も18ビットまでです。
でもなにがお気楽かといえば、その値段で1個300円です。
こりゃ、遊びでつくってみるのもいいかもしれません。

こんなディジタルアンプが秋月にあったのに今頃気づきました。

概要をみていて、さらにお気楽な点がありました。フィルターレスでもいいようです。
となると、基板上にインダクターは不要ですからちっちゃい基板でも作れそうです。
基板の残材をつかって作れそうです。

フィルターレスで動くのがいいですね。

さらにお気楽!
 応用例を眺めてると、パスコンの数はそれなりに多いですが、まあ許容範囲です。
でも、さらにお気楽につくれそうな点をみつけました。ディジタル入力ですが、その信号にはマスタークロックは不要のようです。
普通のDAIに接続するには、マスタクロックは必ずついてくるので、マスタクロックの要否は特段気になりませんが、
RaspberriPiと接続することを考えると、マスタークロックが不要ということは、追加部品が不要ということになります。
 こりゃ、RasPiとあわせて作りたくなってきます。


入力信号(青枠)にマスタークロックが不要というのもいいですね!

まずは回路図を描いてみましょう!

まあ、回路図をかくほどでもないのですが、いままで色々とつくりましたが大抵は1ヶ月もしたら忘れてしまいます。
そして、思い出したようにいじりはじめると、もうなにがなんだかわからなくなってしまいます。
ということもあり、今後はいじりなおすこともあるだろうということを念頭において、なんらかのドキュメントを残す癖をつけようと
思っています。まあ、別に回路図でなくてもいいのですが・・・・・


組むとしたら、こんな回路図です。部品点数もすくなそうです。

とりあえず、買っちゃえ!

1個300円なので、おもわず深く考えずに買ってみました。
結構大きいな〜というのが最初の印象。0.65mmピッチはPCM1794などでおなじみだったのですが、
隣の20Pinのパッケージと比較しても、とにかく幅が広いです。

結構大きなチップです。左:YDA142(52p)、右:74LVC245(20p)

変換基板はいづこに?

さて、これをとりつけるためには変換基板が必要です。で、ICを買ってからの変換基板探しです。
いつもの泥縄〜です。
 さて、探すところはいつものAMAZONとaitendoさんです。

まずは、AMAZONから。「52PIN 変換基板」で検索すると、早速でてきました。

サンハヤトのものです。これで決まりかな〜と思ったら、なんと在庫切れで入荷未定とのこと。
それに、説明書をみると0.5mmピッチじゃないですから〜。これじゃだめです。


これは0.5mmピッチなのでちょとあいません。

こんどは「0.65mm 変換基板」で探すと、こんなものが見つかりました。
これはおもしろい!でも、ちょっとICの幅に対しては狭いかな〜。
基板を2枚に切り分けてつかうのも手だけど〜・・・・・それにしても4枚あるけど2000円とは高いな〜。


良さそうだけど、ICの幅に対しては狭いな〜。


次は!
aitendoさんで探してもみましょう!

ををを! なんと52pinで0.65mmピッチのものがあるではないですか!それに200円と安い!

これが良さそうです!

気になるのは、IC底面のTABを半田付けすることができないことです。まあ、真ん中に穴を開ければ済む話なのであまり問題ではありません。
もう一つ気になるのは、左右のパッドの間隔が短くて、TABがショートするかもしれません。ちょっと、寸法を測ってみましょう。

 ARCADに画像を貼り付けて、寸法線を引いて測寸です。結果は4.8mmとなりました。


こんな感じで測寸です。「14」とるある部分の寸法を既知の寸法から換算です。

微妙だなあ〜

変換基板の左右のパッド間の寸法は4.8mmという結果でしたが、ICのデータシートを眺めるとTABの幅も4.8mmあります。
こりゃ、なにも対策とらずにつけたらショートは間違いなしです。テープか何かで、マスキングすればいけそうですが、そうすると
ICと基板が密着しません。その状態で、TABに半田づけすると半田が広がってしまって、マスキングテープの下に潜り込んで、
パッドとショートを引き起こしかねないな〜。


TABの幅が4.8mmあるので、変換基板のパッドと干渉しそうです。

いっそのこと!
 変換基板なんか考えずに、いきなりRasPiにとりつけ可能な基板を描いてしまいましょう!
 できるだけ小さく組んでおけば、なにかの基板を発注したときに、その隙間に潜り込ませられるかもしれません。

一気にから揚げ!じゃなかった描きあげ!

部品点数も少ないので、一気に描いてしまいましょう!中断すると、絶対に忘れてしまいそうなので、思い立ったら吉日です。
サイズはRasPiの幅とICの長さがぎりぎり納まるサイズです。ネジ穴は片持ちになりますが、基板も小さいので強度的に問題には
ならないでしょう。

これが部品面のパターン。


半田面のパターンです。

基板ができてきました


コンパクトですね〜。


一気にくみたてましょう。 あちゃ〜!!!!

部品点数も少ないので、すぐに組み立てられます。最初はICをとりつけて、次はチップ部品。
そして、コンデンサをとりつけて端子をとりつける・・・・ん?あちゃ〜
なんとDCジャックの向きが反対になっていますした。コネクタの向きが基板の内側を向いています。
まあ、これでもとりつけには支障はないのですが・・・・。まあ、また風情があっていいでしょう(汗)


あっという間にできました。あれ?抵抗が一本抜けているな〜。

ICのTABは半田付けしやすいように、熱がにげないようにサーマルランドはつけないでおきました。
ただ、そのままだとGNDとの接続も切れるので、ベタGND面と半田ジャンパできるようにベタ部分にも
パッドを設けています。

まずはICのTAB部分を半田づけ。熱が逃げないので、半田付けはしやすくなります。


その後に半田ジャンパーでベタGNDに接続です。
ちょっと見栄え悪いけど、作業性優先です。

早速動かしてみましょう!あちゃ〜!!

電源は12VのACアダプターを用います。ソースはRasPiを本来は接続すべきところですが、何かあったときに電源を落とす必要がでたときに、
RasPだといちいちシャットダウンさせないといけないし、電源を入れてから立ち上がるまでの時間もかかるので、ここはソースにはSRC4137を用います。
SRC4137のPCM出力から、DATA、LRCK,BCKをそれぞれ基板に接続します。

そしておもむろに電源ON! ICを触ると、あっちち!!! 

あちゃ〜どこかミスをしたのかな〜。で、色々と調べるとゲインを変更するジャンパーポストに原因がありました。
ゲインはHIGH(29dB)、LOW(23dB)を切り替えられるようにしていたのですが、デフォルトはLOWになるようにすでに
配線をしていたのを忘れていました。それを無理やりHIGHにしていたものだから、回路内部でショートしていたのが原因でした。

ということで、ジャンパーでゲインが変更できるように、すこし修正しました。

もともとゲインはLOWになるように設定してある。


既定の配線を切断。


ジャンパーポストを再度とりつけです。


ソースにはSRC4137を用いました。RasPiの替わりです。

流石にディジタルの波形

オシロで波形を眺めてみますが、これで音楽が聞こえるの?という波形です。流石にディジタル出力という感じです。
こまかく見るとキャリアがみえてきますが、約250kHz程度のようです。

すごい波形です。音楽の波形とは思えません。


キャリアの周波数は約250kHzのようです。

音楽を鳴らしてみよう!
夜も遅いので、小さいスピーカを小さい音量で鳴らしてみます。これが、不思議でオシロでみた波形とはうってかわって、普通に音楽が流れてきます。
音質を評価するような大きな音はだせないのですが、まずは動作が確認できました。

本格的な試聴が後日行いましょう!
その前に、お出かけ用の写真をもう1枚。抵抗もとりつけた状態で、これでフルの実装です。


再度お出かけの写真をとり直しました。

鳴らしてみよう!2019.11.15

さっそくRasPiに接続して鳴らしてみましょう。

いままだPiPA5756Dに接続していたRasPi3を借用して、アンプ基板をとりつけました。


最近作ったスピーカに接続して試聴です。

設定は、なんでもいい気がしますが、「R-PI DAC」を選んでいます。
出力は44.1kHzで16Bitにしています。

オーディオ出力の設定例


サンプル周波数の設定例

ボリュームはVOLUMIOでの設定になります。いきなり100にすると大きな音がでるので注意です。
0からあげていきますが、50のあたり結構普通の大きで音になります。100にすると、かなり大きな音です。
でも、接続しているスピーカでは100でも音が割れることなくなっています。ほんとに効率低いな〜。

しっかり鳴るアンプですね〜

超お気楽アンプなので、過度な期待はしていませんが、普通に期待にこたえてくれる音ですね。
そういう意味では期待以上かな?フィルターなしでも、まったく普通のアナログアンプと同様の鳴り方をします。
超お手軽に作れるけれど、実力はお手軽ではないというところですね。

あ〜、DCジャックの位置ミスっちゃったな〜。

製作マニュアル作成しました。 2019.11.17

PiPA142Manual.pdf

頒布も開始しました。

メインシステムを鳴らしてみる! 2019.12.21

このPiPA142をメインシステムでどこまでならせるか試してみました。
まずはメインシステム側もいろいろな試聴がしやすいように、ラックの前面に各種の入出力の端子を引っ張りだしました。

メインシステムのラックの前面にとりつけた端子群です。


RasPiにとりつけたPiPA142をメインシステムのスピーカに接続です。

メインシステムのスピーカは3WAYのトールボーイで、1つのアンプで動かすためにネットワークをいれて動かすことも
できすし、チャンネルデバイダをつかったマルチシステムとして動かすこともできます。今回はアンプは1つなので
ネットワークをつかって動かします。このややこしい切り替えはリレー切り替え基板でおこなっています。

十分な音量!

VOILUMIOでネットラジオを鳴らしてみますが、ボリューム45で適当な音量になります。
すこし、大きな音にしようかと思えば75くらいまであげればよさそうです。
さすがに100にする勇気はありませんでした。

小さいACアダプタ(15V0.4A)で鳴らしていますが、非力さは感じないです。
というのも15V0.4Aといえば6Wの出力になります。そもそも常用の音量では1Wもつかっていないはずですから、
ある意味このくらいのACアダプタでも十分ということでしょう。それにDクラスですから効率もいいですからね。


普通に鳴らすのならこの程度の音量がいい感じ。

休日はこの組み合わせでBGMを楽しんでみましょう。


(つづく)