ちょっとTea Time !? フルーエンシーなR-2Rを聴いてみる。 2021.4.24

ROHMのDACの制御ソフトを書いていますが、ソフトばっかりやっているとすごくエネルギーを消費します.
なんせ、アルゴリズムとかバグ探しとか普段使わない頭がフル回転です(笑.
頭の休憩には、半田ゴテが一番です.久しぶりに、往年のDACの音を聴いてみたくなりました.

最近、復刻リリースしたDAC1241-2を持ち出してみることに
 フルーエンシ型のディジタルフィルタを採用したFN1242が絶版になって久しいですが、その前機種のFN1241であれば
まだまだ秋月に在庫があるようです.まあ、これも秋月在庫が最後だとは思いますが.。ただ、そのままDAC1241を鳴らすだけでは
面白くないので、アナログ変換はR-2RのDACをつかうことにしてみましょう.FN1241の面白いところは、ディジタルフィルターの出力が
直接取り出せることができますからR-2Rへも簡単に接続できます..
 ただ、このディジタル出力はデータフォーマットがLSBが先頭に来るので、LSBとMSBをひっくり返すロジックを追加しないと、
R-2Rに接続することができません.そのため、DAC1241を作るときには同時にDF1241をつくっています.もともとはDF1241は
Renew DAC1704と接続することを念頭においていました.

なおR2RについてはSimple R-2R DAC MK2を使いましょう. というのもステレオ構成になっているので、これ一枚で足りるからです.
他のR−2Rはモノラル構成になっているので2枚準備しなくてはなりません..


基板ストックから探してきました. 左からDAC1241-2、DF1241そしてSimple R-2R DAC MK2 です.

設定を確認

マニュアルを見ながら、各基板の設定の確認です.


DAC1241-2についてはディジタル出力で使うので、JP1は全てH, JP2はT0がLで、T1,T4がH側にセットになります.

  
DF1241-2については写真では色々と半田付け跡がありますが、既定値のままです.
JP1,2は上からLHLHLHLL JP3,4は上からLLLLHLHLです.
あ、マニュアルに誤記があるので修正しておきましょう.

組み立てていきましょう!

 まずはDAC1241-2とDF1241の接続組み立てです.


アクリルのベースプレートにまずはDAC1241-2を取り付けです.


次にDF1241を取り付けます.


DAC1241-2とDF1241は連結コネクタで接続です.ついでに電源ラインも接続です.

最後に、R-2Rをとりつけますが、そのまま取り付けるとDF1241とR-2Rとの配線ができないので.
とりあえずは段違いで取り付けておきましょう.


配線ができるようにR-2Rは段違いで取り付けておきましょう.

ひょっとして----だめかあ〜

DAC1241-2では2個のFN1241をつかって、それぞれモノラルモードで動かしていますが、
DAI(DIR9001)から同じ信号入れているので、ひょっとして完全に同期して動いているかな〜
と期待しました. 完全同期していると何がいいかといえば、R-2RのLRCK信号が共通に使えるので
配線が簡単になるからです.
 で、オシロで確認してみましたが残念ながら完全には同期していないようです.
ということで、LRCK信号(本当はデータストローブ信号)はR-2Rの左右に分けて供給しなければなりません.
といっても、1〜2本の配線が増えるだけですけどね.

2個のFN1241に同じ信号を入れていますが、同期して動いているわけではありません.

DF1241とSimple R-2R DAC MK2間の配線

LRCK信号を左右に分けて入れなければならないことと、LRCK信号を反転させておく必要があるので、
DF1241とR-2Rとの接続は下図のようになります.ちなみにR-2Rは24ビットモードで動作させます.
こうすれば、DF1241側のジャンパー設定は変更不要です.


回路図としてはこんな感じ.. LRCKの信号の反転にはR-2R側のINV(7404)を活用です.

回路図と同様に実体配線は下図になります.ほとんど回路図とかわりませんね.


実体配線図的に書くとこんな感じになります.


配線完了です.

動作確認!

この段階で、実験用電源に接続して動作確認です.DAC1241-2のディジタル電源は3.3Vなので
DF1241もR-2Rもすべて3.3Vで動作させることにします.R-2Rは5Vで動かしたほうが、出力レベルも高くなりますが、
電源電圧をあわせたほうが簡単ですからね.
 なお、3.3Vの所要電流はおよそ180mAでした. おもったより電力を消費するようです. 
結構な数のロジックICをつかっていますからね.

さて、DACにSPDIFで信号を入力して出力の確認です.正弦波ではフルーエンシー型の特徴がわかりませんが、
矩形波やパルスを入れると、高次数のFIRフィルターとは一味ちがった波形になっているのがわかります.


左右とも動いていますね.正弦波ではフルーエンシの特徴がわかりません.


パルス入力にしても、ほとんどリンギングが見えません.


矩形波も非常にすなおな感じの波形になっています.

3.3Vはどうする?

電源に3.3Vをつかうことにしましたが、実機につなげるときの電源はどうしよう?
だいたい手元にある電源は5Vのものはおおいけれど3.3Vはほとんどありません.
机上の実験用電源は3.3Vもだせますが、それをリスニングルームに持ち込むのも手間です.

ということで、超簡単に5Vの電源端子に3.3Vのレギュレータを差し込むことにしました.
必要な電流が200mA以下なので、5Vから3.3Vへのドロップでは消費電力は350mWなので
放熱板はいらないとは思ったのですが、安心のために取り付けておきました.

5V電源の端子に3.3Vレギュレータをとりつけて簡易3.3V電源にしました.

試聴してみましょう!

 試聴のソースはノートPCです(CDのデータが入っている). ノートPCからUSB経由でPCM2704でSPDIFに変換して
それをDAC1241-2に入れています.
 音の印象ですが、いつもつかっているDAC1704-4Dに比べるとフルーエンシーらしい音です.
って、フルーエンシーらしい音って何よ! ていわれそうですが、よくわかりません(笑. まあ、フルーエンシーらしい音なのか
R-2Rらしい音なのかも、しょうじきなところよく分からないです. たぶん昨日の酒が残っているんだろうな〜(爆.
 でも、二日酔いに心地よく響く音であることは確かなようです.


実機に接続して試聴です.

ちょっとした休日の悪戯でした.ちゃんちゃん!
(おしまい)